老化防止

アラキドン酸は細胞膜に必要?

アラキドン酸はそもそも、体内で細胞膜を構成するとても重要な成分です。
肝臓、皮膚、腎臓などありとあらゆる場所に存在していますが、特に脳細胞に大きく働くと言われています。
そのため、胎児や乳児にとって脳や体を構成するには欠かせない成分であり、粉ミルクにも含まれている製品が販売されています。

人の体には、約60兆個以上の細胞があります。
一つ一つの細胞が個々の役割を果たすことで、人の体というものが形成されているわけです。
そこで、その細胞をつなぎ、一人の人間として作り上げている存在が、「細胞膜」です。
細胞膜を作るにも様々な成分が関係していますが、アラキドン酸は細胞膜が作られる際、リン脂質という物質の構成に必要な存在です。

リン脂質は体の中で情報の伝達を行います。
主に脳内のリン脂質に、アラキドン酸が働いています。
この働きを、アラキドン酸カスケードと言います。
カスケードによって作られる物質の一つに「プロスタグランジン」という物質がありますが、免疫力向上、コレステロール値の減少など私たちの体にとても良い働きをすることがわかっていることから、アラキドン酸は体内で必要不可欠な存在だと言われているのです。

また、細胞膜を柔らかくする働きも持っており、脳細胞を活性化させ情報伝達を活発にさせるという役割があることから、アラキドン酸は細胞膜にとって欠かせない存在であると研究で発表されています。

細胞膜および細胞の衰えは、脳機能を低下させ老化を早めてしまうことになります。
また、アラキドン酸は加齢と共に減少していきます。
そのため、体内でいかにアラキドン酸を減らさないかが大切です。

人の細胞は死んで、再度生成してという流れを繰り返し、細胞膜もどんどん作り替わっています。
でも、その働きを担っている物質たちが減ってしまうと、私たちの体内では細胞も細胞膜も減る一方になってしまうのです。
そのため、高齢者は特に注意しなければいけないわけですが、極端な食事制限をしているダイエッターも注意が必要です。