老化防止

アラキドン酸とP450の関係

みなさんはシトクロムP450という代謝酵素をご存知でしょうか。
これは、肝臓に存在している酵素で薬物などを無毒化させ、解毒を行っている酵素です。
薬の無毒化の他にも、脂肪酸の代謝やホルモン合成にも関わっており、働きによって薬の効果や副作用などに個人差が出ます。

シトクロムP450は、アラキドン酸エポキシゲナーゼを活性化させる働きも持っています。
アラキドン酸エポキシゲナーゼが活性されることによって、水溶性エポキシドというものに変換され、強い血管作動を起こすことから、高血圧発症に大きなかかわりを持っていると、近年の研究が勧められています。

この研究はまだ続いており、解明まではいっていません。
ですが、高血圧はアラキドン酸摂取量の少ない中高年者が発症する可能性が高い病気であり、高血圧によって更に引き起こされる疾患も多々あることから、特に注意しなければいけない生活習慣病です。
P450の影響により高血圧発症の可能性が高まるのであれば、私達現代人は食生活に注意しなければいけなくなってしまいます。

高血圧治療においては、治療に使用される薬成分が代謝酵素であるP450の働きを阻害し、体内で水溶性エポキシドの生成を減少させるという結果が出ています。

とはいえ、まだ解明されていない事実ですから、アラキドン酸を摂取することで高血圧を発症するというわけではありません。
あくまで、人の体に存在しているP450という代謝酵素の働きに、そういった働きがあるということだけ覚えておき、アラキドン酸を過剰に摂取せず1日の適正摂取量を守ることが大切だということを覚えておいてください。

アラキドン酸を摂取することですぐに病気になる、ということではありません。
脳機能の向上や健康のために意識して摂取すべき成分であることに間違いはありません。
アラキドン酸を意識して取り入れようと考えている方は、P450との関係性も考えながら適正量を摂取できるよう食生活を変えていきましょう。